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注文住宅で長期優良住宅を建てる前に

date:2022.01.17

今回は、「注文住宅で長期優良住宅を建てる前に」です。

「そもそも長期優良住宅って?」「優遇制度などはあるの?」「工務店でも長期優良住宅は建てられるの?」といった事をお伝えします。

 

長期優良住宅。
家づくりを始めると、いろいろな情報が入ってきますが、その中で耳や目にしたことがある方もいらっしゃると思います。

 

「普通」の家と何が違う?どういう定義?

長期優良住宅のメリットデメリットなど気になるポイントを知って、自分の家を長期優良住宅にするのかどうか、選ぶ基準を得ていただけたら幸いです。

愛知県で長期優良住宅を建てる前に
  1. 長期優良住宅とは
  2. 長期優良住宅の優遇制度はある?
    1)住宅ローンの金利引き下げ
    2)税の優遇
    3)補助金
    4)地震保険の割引
  3. 長期優良住宅のデメリット
    1)デザイン性が制限される
    2)時間や金銭面のコストがかかる
    3)メンテナンスコストがかかる
    4)省エネの基準がそこまで高くない
  4. まとめ

 

1.長期優良住宅とは

従来の「つくっては壊す」スクラップ&ビルド型の社会から、「いいものを作って、きちんと手入れをして長く大切に使う」ストック活用型の社会への転換を目的として、長期にわたり住み続けられるための措置が講じられた優良な住宅(=長期優良住宅)を普及させるため(中略)平成21年6月4日に施行されました。国土交通省 長期優良住宅のページより

つまり、長期優良住宅とは、国が定めた「優良な住宅」です。

長期優良住宅は認定制なので、決められた条件を満たすことで、ハウスメーカーでも工務店でも「長期優良住宅」をつくることができます。

 

長期優良住宅の特徴として挙げるとすれば、「継続した維持管理」の計画の作成と実行が必要な点ではないでしょうか。

建てる前や完成した時だけでなく、継続して30年以上、家を維持していく事を求められる、それが長期優良住宅です。

(具体的な条件などは一般社団法人住宅性能評価・表示協会Webページよりご確認ください。)

長期優良住宅=国が定めた優良な家。
維持管理が必須

 

 

2.長期優良住宅の優遇制度はある?

1)住宅ローンの金利引き下げ

フラット35の金利が一定期間引き下げられます。

個人事業主のかたや、フラット35で借りたい方などは、長期優良住宅を建てることでメリットを感じられるのではないでしょうか。

但し、優遇期間は全期間固定金利のうちの数年なので、期間が終われば金利は元の率に戻ることをお忘れなく。

フラット35なら一定期間金利DOWN

 

2)税の優遇

税制でも優遇が受けられる場合があります。

12月に出された令和4年度税制改正大綱によると、住宅ローン減税の控除対象上限額は最高で5,000万円。
※令和4年~5年までに入居の場合。

長期優良住宅などではない普通の家の場合、最高でも3,000万円が限度額なので、その差2,000万円はかなり大きいですよね。

住宅ローン減税の限度額が
最高で2,000万円上がる

 

3)補助金

地域により良い木造住宅を増やすことを後押しする事業でも、補助金の対象となっています。

要件を満たせば最高で130万円の補助金が出ます。

但し、これは工務店が事業に加盟している必要があるなど、事前の確認が必要になります。

要件を満たせば補助金が出る

詳しくは地域型住宅グリーン化事業長寿命型のページでご確認ください。

 

4)地震保険の割引

地震保険は、耐震等級による割引制度があります。

長期優良住宅の認定を受ける際に満たした耐震性能によって、地震保険が割り引かれる場合があります。

 

長期優良住宅であることが地震保険の割引条件ではないので、注意が必要です。

地震保険が割引になる可能性あり

 

3.長期優良住宅のデメリット

国が認めた、長く使える優良な住宅で、税やローンなどで優遇措置がある長期優良住宅ですが、デメリットはあるのでしょうか。

自分が家や暮らしに求めるものによって、メリット・デメリットは変わってきますが、「こんなはずじゃなかった!」とならないために、長期優良住宅であることで起こりえる事は予め知っておきたいですよね。

 

1)デザイン性が制限される

床下の高さや浴室の仕上げ、手洗いの配管の種類など、見た目に関する部分で制約を受けます。

見た目のデザイン性が高いことは、建物の耐久性や維持管理と相反する場合もありますが、住む人からすると「せっかく家を建てるのだから、好みのデザインにしたい」と思うのは当然のこと。

 

長期的な目線での家づくりはとても大切ですが、見た目の部分とバランスを取りたい場合には、自由が制限されると感じるかもしれません。

「見た目」の自由がどれだけ欲しいか考えてみる

 

2)時間や金銭面のコストがかかる

必要な手続き、仕様に適合させるために、時間的・金銭的なコストがかかる場合があります。

 

「長期優良住宅」は認定制なので、たとえ申請しなくても同じ性能の家にすることは可能です。

長持ちする家に住みたいのか、「長期優良住宅」に住みたいのか、希望していることは何なのかを考えるのも大切です。

本当に「長期優良住宅」が欲しいのか考えてみる

 

3)メンテナンスコストがかかる

維持保全計画書という計画に沿って、工事完了から、少なくとも30年間、10年ごとに必ず点検と修繕を行わなければなりません。

家の修繕や点検そのものはマイナスな行いではありませんが、30年以上それを継続するのはなかなか大変です。

点検の記録の作成や保存も求められているので、きちんと対応してくれる会社選びが求められます。

30年以上メンテナンス計画を実行できるか考えてみる

 

4)省エネの基準がそこまで高くない

デメリットではないですが、「長期優良住宅だからとても省エネなのかな!」という期待が出来ない、というのも事実です。

規準とされている断熱の性能基準は平成11年の省エネ基準。20年前の基準です。

実際には日本ではこの基準にすら満たない家がほとんどですが、満たしているからと言ってそこまで省エネでもないのです。

「長期優良住宅」=省エネ、ではない

 

4.まとめ

注文住宅で長期優良住宅を建てる前に、その概要やメリット・デメリットをお伝えしました。

長期優良住宅は国が推奨している制度ではありますが、それが自分たちの生活をどう豊かに幸せにしてくれるのか、きちんと紐づいているかを考えることが大切です。

 

「長期優良住宅」のほかにも「ZEH」「BELS」「C値・Q値・UA値」「G1・G2・G3」など家の評価や性能に関する言葉・値があふれていて、何を基準にすればよいのか困ってしまう、という方はたくさんいらっしゃいます。

確かに、様々な基準や数値は「おすすめ品」ではあります。

ですが、「おすすめ品」が「自分たちを良くしてくれるもの」であるかどうかは、「自分たちが何に価値を感じているか」で変わってきます。

 

家づくりで家族の幸せな時間をつくるには、まず「私たちはどんな毎日だったら幸せかな」「不安や不満に思っていることは何だろう」と考えることが肝心です。

そして、その想いを共有し家づくりを通して一緒に叶えてくれる会社を探すことが、「施主の仕事」になってくるのではないかな、と思います。

 

共感住宅レイアウトの清水がお伝えしました。

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