新築時に太陽光発電をつける本当のメリット3つ
date:2024.10.02
皆さんは新築時に太陽光発電をつけたいとお考えでしょうか?
共感住宅レイアウトでは、基本的にはつけることをお勧めしております。
「でも、電気を売っても今はあまり儲からないって聞くしメリットはないんじゃない?」とお考えの方へ。
おっしゃる通り、最近(2024年現在)では買取価格が年々下がっていて、売電収入はあてにできません。
過去の買取価格・期間等 経済産業省 資源エネルギー庁公開のデータより弊社作成
そんな現状で、なぜ新築するときに太陽光発電をお勧めするのか。
それは、売電以外の3つのメリットがあるからです。
今回は、そのメリットについて解説します。
太陽光発電の本当のメリット3つ【2024年度版】 |
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2023年度版の動画はこちら▼
1.なぜ新築時に太陽光発電を検討するのか
まず初めに、新築時に太陽光発電を検討すべき理由をお伝えします。
それは、アパート時代より多くの電気を使う可能性が高いからです。
新築一戸建てで叶えたい事は何ですか?
今より広い家。今より多い部屋数。今より便利で快適に暮らしたい。
皆さん、きっとそう考えていらっしゃいますよね。
すると、想像してみてください。
家が広くなることでエアコンの台数が増えたり、家族が増えることで全体的な電気の使用量が増えます。
ルンバや食洗機、乾燥機……新しい家電製品が増えるかもしれません。
ウォーターサーバーを設置したり、オーブンレンジで料理をたくさん作ったり。
とうぜん電気代が上がります。
アパートの家賃よりも多い住宅ローンを支払いながら、電気代も上がって……となると、不安ですよね。
だから、新築時にこそ、「自宅で電気を生み出す方法」つまり太陽光発電を考えるのにうってつけのタイミングなのです。
2.この考え方は危険!
「とにかく電気代を出来るだけ安くしよう!」
この考え方は危険です。
これは、太陽光発電をつけるつけないにかかわらず、新築して新しく暮らしを始める時に、決してお勧めしない考え方です。
なぜなら、「安い電気代が最善」ではないからです。
考えてみてください。
どうして電気をつかうのでしょうか?
家を居心地よくするため。
おいしい料理を食べるため。家事を手軽にしてその分の時間を楽しむため。
「とにかく電気代を安く!」を考えると、ちょっと暑いけどエアコンを切ろうとか、仕上がりはいまいちだけど家電は使わないでおこうとか、我慢やあきらめに繋がりやすくなります。
自分だけの我慢にとどまらず、家族にも同じ我慢を強いるのは、本心ではないのではないでしょうか。
また、何のために新築するのかを思うと、我慢したり諦めたりする毎日ではその目的が達成されないのではと思います。
太陽光発電をつけるかどうかを考える時も、「電気代を安くしたいから!」という視点は、少し抑えてみることをお勧めします。
3.メリット①普段使い
それでは新築時に太陽光発電を採用する本当のメリットをご紹介して参ります。
まずは、メリット①普段使い。
太陽光発電があれば、発電で賄える間は電気を買わなくても良い、という最もシンプルなメリットです。
普段から太陽さえ出ていてくれれば発電した電気を使えます。
太陽光発電で賄った分の電気代はかかりませんので、その分だけお得になります。
昼間にご自宅で過ごす方がいらっしゃるご家庭では、このメリットの恩恵をより強く感じるでしょう。
更に発電した電気を貯めておける「蓄電池」も併用すると、昼間に使い切らなかった分を夜に充てられます。
また、使わなかった分を売る「余剰売電」もあります。
太陽光発電の買い取り価格は年々下がっているので大きな利益にはなりませんが、光熱費の足し程度にはなります。
ただし、注意点があります。
普段使いの太陽光発電ですが、発電量は安定しません。
曇りや雨、日照の少ない季節では電気を買う必要があります。
このことを念頭に置いて太陽光発電導入を検討してください。
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発電した電気を「売る」ではなく「使う」 |
4.メリット②災害時
2つ目のメリットは災害時です。
ここ数年、自然災害や異常気象の頻度が増えています。
気象庁によると、2023年では世界中で異常気象や気象災害が発生しています。
日本でも異常な高温や年間降水量の増加など、気象災害が隣り合わせの暮らしになりつつあるように感じます。
経済が世界でつながっている今日、遠い国の異常気象も他人ごとではありません。
自国だけで賄えないものが不足する事態は、常に起こりうる状態にあるのではないでしょうか。
もし停電が起こった時、太陽光発電があれば(太陽が出ていることが条件にはなりますが)、太陽光発電があれば冷蔵庫の中身を守ることができます。
皆さんはもうお気づきかもしれませんが、蓄電池があれば夜も多少の電気を使うことができます。
より安心ですよね。
ただ、「太陽光発電さえあれば絶対安心」ではない、ということ。
太陽光を何キロ載せるのかや、当日の天候、停電の期間などによって、太陽光発電がついていても電気が使えないという事は起こりえます。
それでも、全く何も無いよりは、あった方が安心。
少しでも辛い時間を少なくするための備え、という考え方をしていただきたいです。
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停電時も自家発電があれば安心 |
5.メリット③将来性
メリット③将来性とは、いつか来る未来への備えです。
具体的には、電気代が超高騰するその時。
将来的な保険としてのメリットです。
例えば中部電力のスマートライフプラン。
よりお得に設定されている夜の電気代ですが、2017年に16.00円だったナイトタイム料金が、2024年現在は16.52円/kWhまで値上がりしています。
上記は電力量料金ですが、それ以外の部分では基本料金や「再生可能エネルギー発電促進賦課金」、燃料調整費などでも値上げが行われています。
また、気候変動によって電気の使用料そのものが増える事も十分に考えられます。
豊田市では2024年、真夏日の最多日数を更新しましたよね。
その上、冬はしっかりと寒くなります。
数年~数十年後、徐々に電気代が上がり続け、猛暑や極寒の日が増える中でも、少しでも電気を買わずに快適な暮らしを続けられたら嬉しいですよね。
そこで太陽光発電が効いてくるのです。
今この瞬間は「つけてもつけなくても良いかな」と思うかもしれません。
でも、少し先の将来にとっても同じことがいえるのか、という視点をもつことが、家づくりにとっては重要なのです。
もし、予算の関係で新築時に付けられなかったとしても、後々つけられる設計にしておくことで、スムーズな導入に繋がります。
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備えとしての太陽光 |
6.デメリットは初期コスト、ですが
導入時のコストは避けられません。
一般家庭で太陽光発電をつける場合、130万-400万かかります。
この価格の差は、何kw載せるのか(太陽光パネルの量に関わる)、どの会社から買うのか、蓄電池もつけるのか、によって変化します。
ご新築の段階で余裕がない場合、130万円を出すのはかなり難しいでしょう。
この場合は、あとから設置できるように、太陽光発電を付ける場所や蓄電池を置くスペース、配線などを予め設計しておくことをお勧めします。
2012年に新築での太陽光発電システム導入費用はkWあたり平均43.1万円でした。
それが2023年には平均28.8万円までさがっています。
今は予算の都合がつかなくても、将来的に導入できる可能性は十分にあるのではないでしょうか。
「太陽光発電について2023年12月」資源エネルギー庁 より弊社作成
ちなみに共感住宅レイアウトでは、どのオーナー様の家にも、太陽光発電のための配線を予め設置しております。
「その時」のために備えておくと安心です。
7.まとめ
今回は、売電収入ではない「新築時に太陽光発電をつける本当のメリット3つ」について解説しました。
新築時に太陽光発電をつける本当のメリットは、
- 普段使い
- 災害時
- 将来性
でした。
導入すれば、天気の良い昼間は毎日発電してくれます。
余った電気を売って光熱費の足しにすることもできます。
停電時や災害時は、発電される限りはエアコンや冷蔵庫が動いてくれます。
将来的に電気代が高騰したり、電気使用量が増えた時も、自家発電分は電気を買わなくて済みます。
太陽光発電の初期コストは130-400万円ですが、コストは年々下がっていますし、新築時に設置できる準備だけはしておいて損はありません。
「太陽光発電で儲ける」とか「出来るだけ電気代を安くする」ではない視点を持つことがポイントです。
太陽光があるから、安心で快適な暮らしを守れる。という考え方で、新築時に太陽光発電を検討してみてください。