1本の木が伝える
date:2023.04.26
こんにちは、広報の清水です。
2023年のソメイヨシノが例年よりも早く、パッと咲いてパッと散ったころ、八重桜が咲きはじめました。
淡い桃色のソメイヨシノと違い、近所に咲く八重桜は桜餅のような色。
渋い緑の葉が花弁と一緒に揺れているので、本当に桜餅が木に成っているいるようだなぁといつも思います。
さて、八重桜には、特別な思い出があります。
私が通っていた中学校の校章。
そのモチーフとなっているのが「ナラヤエザクラ」という八重桜の一種でした。
ナラヤエザクラは、桜餅よりも小ぶりな、可憐な姿です。
「ナラヤエザクラは入学式の後に咲く」と紹介してくれた先生の声や、
八重桜が校歌にも歌われていた事。
平安時代の女流歌人、伊勢大輔が詠んだ
「いにしへの 奈良のみやこの 八重ざくら けふ九重に にほひぬるかな」。
ナラヤエザクラにまつわる様々を学んだ時間や、友人たち。
そんなことが、八重桜を見るたびに、鮮やかに思い出されます。
たった一つの植物が、10年以上も記憶を伝えてくれる。
それは、とても素敵なことだなぁと思います。
外構屋さんから始まった工務店として、お客様の家のお庭には木を植えることが多いです。
私達が植えた木も、お客様の大切な思い出の一部となって記憶にとどまり、
また、記憶を呼び起こす存在になってくれたら嬉しいですね。